毛髪CMC脂質様成分の代表格!ラノリン。

1.ラノリンとは

ラノリンとは、羊の皮脂腺から分泌されて羊毛に付着した脂肪用物質を精製して得られるオイルです。

 

以前は、化粧クリームやヘアトリートメントだけでなく、医療用クリームなどに使用されるほど重宝されていましたが、「ラノリンアレルギー」や「狂牛病」で動物由来成分が敬遠され、植物オイルが注目されることにより表舞台に現れることは少なくなりました。

 

しかしながら、植物油では出せない「機能性」をこの「ラノリン」は持っています。そこでホワイトラボ では、厳しいチェックを受けた製造設備の中でカラム精製された安全性の高いラノリンを使用し、ヘアトリートメントや基礎化粧品の開発を行っています。 

2.ラノリンの特徴

ラノリンは、オレンジラフィーの図で紹介したように、高級脂肪酸と高級アルコール(ステロール)のエステルに分類されます。しかしながら、他のワックス成分の中でもずば抜けて、

 

1、皮膚・髪への親和性が抜群に高い。

2、抱水力が抜群に高い。

3、エモリエント性(お肌・髪を柔らかくする)が抜群に高い。

 

 という特徴があります。

 

まず「1」ですが、「皮膚・髪のバリア層(細胞間脂質・CMC)」は人の皮脂とは異なり、「セラミド、ステロール系誘導体、ステロール誘導体、脂肪酸など」をメインに構成されています。

 

ラノリンは細胞間脂質の構成成分に似た、「環状高級アルコール(ステロール誘導体)」を多く含んでいるので、髪や皮膚への馴染みがいいと考えられます。

 

また、ヒドロキシ脂肪酸量も多いことから、分子量が大きいのに融点が低い(液状になりやすい)ため、お肌や皮膚に伸びやすいことも親和性の高さに結びついていると考えられます

 「2」に関してですが、普通の高級脂肪酸は、リン脂質などと併用すると「ラメラ液晶」と呼ばれるお肌や髪に水分を保持する構造をとるのですが、ラノリンは「1」で示したように環状高級脂肪酸を多く含んでいるため、独自に「ラメラ液晶」を形成するため、抱水性がとても高いと考えられます。 

 「3」に関してですが、「ラメラ液晶の抱水作用」がそのまま「エモリエント性」につながっていると考えられます。さらにラノリン油膜の手触りが滑らかなため、柔らかく感じる作用も相まっているためと考えられます。

 

 

 これらの特徴は、どの成分にも置き換えられない「ラノリン」だけの特徴です。